アイ・ラブ・おデブ【完結】
その日の夜もぐっすり眠れた

自宅待機を命じられてから、毎晩かかってくる電話のお陰かもしれない

…一人じゃないんだ

そう強く思え、心穏やかに布団に入れる

電話をかけてくる人物…渋井課長だった

初めて電話をもらった日、小夜は携帯を落としてしまう程驚いた

渋井とは今まで親しく話したことはなかったからだ

渋井の写真が悪戯され、小夜のデスクに入れられ
「掃除中に落とし破いてしまった」と謝った時も、悲しげに「そうですか…」と一言いわれただけだった

小夜を気遣い体調を尋ねる…ただそれだけなのに…

耳に響く渋井の低音が不安で波立つ小夜の心を静め、眠る時には凪いでいる
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