アイ・ラブ・おデブ【完結】
「涙を流せば許されると?
そんな卑怯な真似をして…
本当にこの子は根性悪だね!」

涙を見せたことで、祖母の怒りを増大させてしまうことは分かっていたのに…

声を出せば、誰かが帰るまでこの部屋から出ることすら叶わなくなる

じっと耐えているのが、この状況を終わらせる唯一の方法だと幼い小夜には分かっていた

すでに自分が何をして、今日はこの部屋に呼ばれたのか忘れてしまった

握り締めている手に力を込め、大きく息を吸うともう一度歯を食いしばる

バチッ!

反対側の足に痛みが走る
今度は目をギュウと瞑り、涙も溢れないよう堪えた
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