アイ・ラブ・おデブ【完結】
「さあや!帰ろう!」

弟の圭輔(ケイスケ)が靴を履いて下駄箱の前で待っていてくれた

兄の大輔(ダイスケ)は中学生になり、小夜と共に帰るのは圭輔の役割となっていた

祖母の待つ家に一人で帰ることは滅多にない

兄も弟も傍にいてくれるお陰で、祖母の部屋に呼ばれるのも少なくなった

それでも祖母の怒りが小夜を攻撃することは無くならなかった

成長してどんなことで怒られるのかが少しずつ分かってきたが、それでも様々なことで注意を受けた

祖母がうるさく注意するのは、礼儀作法や言葉使いなどが中心で箸の上げ下げや廊下の歩き方など日常生活の殆どに及んだ

さらに祖母が教える茶道や華道、琴などの時間は二人きりとなり毎回祖母の叱責で終わる

不器用な小夜は、失敗をするとさらに萎縮をしてしまい怒られるという悪循環に陥るのだ
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