アイ・ラブ・おデブ【完結】
「おじいちゃん…ありがとう…
この櫛はおじいちゃんに持っていて欲しい…
ずっとあたしを見守ってくれていたから…今度はおじいちゃんの傍に…」

愛しそうに櫛を撫でる祖父に櫛が喜んでいるように見えた

「この櫛は…昔わしが琴乃にあげたんじゃ…
あの頃…貧乏で食うのにも困っておったがどうしても贈りたくて…父親が大切にしていた掛け軸を質に入れて買ったんじゃ
悪い息子だな!ハッハ~!

当時、琴乃の髪は町一番の濡れ羽色をしとった…
喜ぶ顔が見たくてな…
琴乃を振り向かせたくてな…
でも…琴乃は…すぐに髪を切ってしもうたんじゃ
切った琴乃も可愛かったがな!
今で言う…ヘプバーンじゃったよ…」

…おじいちゃん…そんなにおばあちゃんが好きだったのね…
ヘップバーンは今の人じゃないけど…可愛らしかったんだね…
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