トーク!
不安を払拭しようと聞いたことが逆に不安を煽った。


あたし、なんて不幸な星のもとに生まれてきたんだろう……。
それともこれは、王子様を独り占めしようとしてるあたしへの罰なんだろうか。



明らかな宣戦布告に満足したのか、女の人は隣に居たもう一人の女の子と話し始める。
それに、別の男の人も加わって、「なーなー、マジでお前新杉が好きなの?」だとか、盛り上がり始める。


残ったのは言葉を失ったあたしと、不幸にもその向かいに座ってしまった人懐っこそうな人だけで、


「あの、気に、しないでね?」


あたしの負のオーラは、いたいけな先輩にまで、心配そうな声を出させた。


「新杉、大学入ってすぐにちゃんと彼女がいるってこと言ってたから」

「……」

「俺、新杉は心配ないと思うな~」

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