花とキミ*秋・冬
尋翔さんは、
私がいいって言うのなんて聞かずに
私を家まで送ってくれた。
歩いている間、
会話はほとんど無かった。
私は、気まずくて話せないし
尋翔さんも尋翔さんで
黙ったままだった。
「あ‥」
沈黙を破ったのは、尋翔さんだった。
「花菜ちゃんって確か、
花、好きなんだよね?
あれ‥‥リンドウだよね。」
尋翔さんが指差す方向に目を向ければ
確かにリンドウが咲いていた。
「はい‥多分。
よく、知ってますね?」
「あぁ‥前に何かの課題で、
花調べた事あってさ?」
尋翔さんは、
歩き出しながら呟いた。