花とキミ*秋・冬
「リンドウの花言葉は‥知ってる?」
少し振り返りながら言った尋翔さん。
その声は、真剣で‥‥
訳も分からずに、
胸がトクンと音をたてた。
「悲しみにくれるあなたを愛する。」
体ごと、こっちを向いた尋翔さん。
「花菜ちゃん‥俺じゃダメ?」
いつもの爽やかな笑顔とは、
少し違う‥‥切ない笑顔。
「私‥は‥‥」
「ごめん、返事はもうちょっと
後で聞きたい。」
私から目をそらして、
歩き出してしまった尋翔さんを追う。
「花菜ちゃんを困らせるようだけど、
もう少し考えてもらえない?」