恋愛ビギナー
「あなたのことよく知らないし・・・、とにかくごめんなさい・・・っ!」
そう言って、深々と頭を下げる綾那。
「これから知ってけばいいよ」
「い、いや・・・、それにわたし彼氏いますんでっ!」
彼氏、そんな2文字で喜んでしまう単純な俺。
・・・って、今はそれどころじゃなかった。
今まで大抵のやつらは綾那が断ったら、諦めていた。
でも、今回のやつはなかなか諦めてようとしない。
綾那にちょっとでも触れたら飛んでいく、と決めたそのとき。
その男が綾那の腕を掴んだ。
「っ、ちょ・・・っ!」
「はい、そこまでー」
条件反射というか、気づいたときには綾那を後ろから抱きしめていた。
「わっ、氷藤くん?!」
驚いている綾那に優しく微笑み、視線をその男に移す。