: 過去
その後


新撰組は西本願寺を離れ、不動堂屋敷へと移転した


この屋敷は西本願寺の僧侶たちによって建てられ、近藤が屋敷の主となった


「いや~屋敷の主とは、これまたありがたいことだ!」


すっかり元気を取り戻した近藤は、隣で静かに腕組みしている土方に言う


ちらりと横目で近藤を捉えた土方は、またすぐに視線を戻す


「……なんだ、歳?気に食わんことでもあるのか?」


露骨に顔をしかめた近藤は、覗き込むようにして土方みた


だが、土方はなにも言わす立ち去ってしまった

***

以前と変わらない日々


ただ淡々と時間だけか過ぎていく


沖田の部屋があるのは、屋敷南側の奥


障子を開け放つと目に入る大きな大木を、彼は眺めていた


―――あの大木のように強く根を張れたら…


今の自分にはできないことだ


西本願寺から移転してまだ、数日としか経っていないが


彼の体力は以前に比べ、格段に落ちていた


どんどん痩せ細っていく体


それが視界に入るだけで全身を怒りが駆け巡る


―――碧を守りたい


今の自分にできるのだろうか


彼女は幸せなんだろうか
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