執着王子と聖なる姫
目が覚めると、いつでも腕の中には妹が居た。細過ぎて多少抱き心地が悪かったりもするけれど、長年抱き慣れたその体はしっくりとこの腕に馴染んでいた。
つい、二ヶ月ほど前までは。
違和感に重い瞼を開くと、まず視界に入ったのは流れるような黒だった。改めて抱き直すと、むにっと…何とも心地好い感触が味わえる。それだけで得られる満足感がある。今朝は気分が良い。
「ん…マナ…苦しいです」
「おぉ、悪りぃ。good morning.」
「おはようございます」
パチパチと瞬きをしながら、腕の中のセナが目を覚ます。そして、小さく首を傾げた。
「どした?」
「この辺りに違和感が…」
ブランケットの中に腕を入れて確認すると、スリスリと腰を摩っている。その手を退け、ギュッと細い腰を抱き寄せた。密着したまま、耳元で囁く。
「女になったからなー」
「セナは元々女の子ですよ?」
「そうじゃなくて。大人になったってこと」
バサッと腰までブランケットを捲り、首筋から背中にかけkissを。クスクスと洩れる笑い声を吸い込むように背中に覆い被さり、深いkiss。
今朝くらいは甘やかしてやってもいい。少し無理をさせてしまっただろうから。と、体勢を変えて改めて抱き締める。
「どうしたんですか?」
「んー?好きだよ、聖奈」
「…何だか気持ち悪いです」
前言撤回だ。
甘やかし過ぎは良くない。抱き締めたままパシンと頭を叩くと、胸元でクスクスと笑い声が洩れた。
「せっかく甘やかしてやろうと思ったのに」
「いつものマナがいいです」
「あぁ、そうかよ」
解放して腕枕をしたままゴロンと仰向けになると、素肌のままのセナがピタリと引っ付いた。
明け方にもかかわらず、じっとりと暑さが纏わり付く。いつもなら不快なだけのその暑さも、今朝は何だか心地好かった。
つい、二ヶ月ほど前までは。
違和感に重い瞼を開くと、まず視界に入ったのは流れるような黒だった。改めて抱き直すと、むにっと…何とも心地好い感触が味わえる。それだけで得られる満足感がある。今朝は気分が良い。
「ん…マナ…苦しいです」
「おぉ、悪りぃ。good morning.」
「おはようございます」
パチパチと瞬きをしながら、腕の中のセナが目を覚ます。そして、小さく首を傾げた。
「どした?」
「この辺りに違和感が…」
ブランケットの中に腕を入れて確認すると、スリスリと腰を摩っている。その手を退け、ギュッと細い腰を抱き寄せた。密着したまま、耳元で囁く。
「女になったからなー」
「セナは元々女の子ですよ?」
「そうじゃなくて。大人になったってこと」
バサッと腰までブランケットを捲り、首筋から背中にかけkissを。クスクスと洩れる笑い声を吸い込むように背中に覆い被さり、深いkiss。
今朝くらいは甘やかしてやってもいい。少し無理をさせてしまっただろうから。と、体勢を変えて改めて抱き締める。
「どうしたんですか?」
「んー?好きだよ、聖奈」
「…何だか気持ち悪いです」
前言撤回だ。
甘やかし過ぎは良くない。抱き締めたままパシンと頭を叩くと、胸元でクスクスと笑い声が洩れた。
「せっかく甘やかしてやろうと思ったのに」
「いつものマナがいいです」
「あぁ、そうかよ」
解放して腕枕をしたままゴロンと仰向けになると、素肌のままのセナがピタリと引っ付いた。
明け方にもかかわらず、じっとりと暑さが纏わり付く。いつもなら不快なだけのその暑さも、今朝は何だか心地好かった。