執着王子と聖なる姫
浮かれ気分のレベッカが気分良くメイクルームの扉を開くと、それとは正反対に不機嫌丸出しの愛斗が待ち構えていた。
「どう?似合うデスカー?」
あまりの変わり様に言葉も出せないでいる愛斗に、レベッカはいたずらっ子のように笑い、足早に傍に駆け寄る。
「マナ?」
目の前に来て呼び掛けても、愛斗は何の反応も示さない。完全な硬直状態だ。
それを面白がったレベッカは、首を傾げながらツンツンと愛斗の鼻先を突く。それに漸く反応を示した愛斗は、何を思ったのか、そのまま背を向けて階段を駆け上ってしまった。
困り顔のレベッカは、そのまま背後に控えていたメーシーを仰ぎ、短くなった髪を揺らした。
「マナ、どうしたデスカネー?」
「さあね。彼は気紛れだから」
肩を竦めながら言うメーシーは、「やれやれ…」とでも言いたげだ。そんなメーシーにレベッカは改めてお礼を言い、「俺様は大変デース」と言いながらも愉しげに笑い、愛斗を追った。
階段を一段上る度に、短くなった髪が揺れる。
マリ風ではなく、オリジナル。
それを与えてくれたのは、他でもないメーシーだ。
それを考えると、自然とレベッカの頬は緩んだ。
「どう?似合うデスカー?」
あまりの変わり様に言葉も出せないでいる愛斗に、レベッカはいたずらっ子のように笑い、足早に傍に駆け寄る。
「マナ?」
目の前に来て呼び掛けても、愛斗は何の反応も示さない。完全な硬直状態だ。
それを面白がったレベッカは、首を傾げながらツンツンと愛斗の鼻先を突く。それに漸く反応を示した愛斗は、何を思ったのか、そのまま背を向けて階段を駆け上ってしまった。
困り顔のレベッカは、そのまま背後に控えていたメーシーを仰ぎ、短くなった髪を揺らした。
「マナ、どうしたデスカネー?」
「さあね。彼は気紛れだから」
肩を竦めながら言うメーシーは、「やれやれ…」とでも言いたげだ。そんなメーシーにレベッカは改めてお礼を言い、「俺様は大変デース」と言いながらも愉しげに笑い、愛斗を追った。
階段を一段上る度に、短くなった髪が揺れる。
マリ風ではなく、オリジナル。
それを与えてくれたのは、他でもないメーシーだ。
それを考えると、自然とレベッカの頬は緩んだ。