執着王子と聖なる姫
「色々あったけど…そりゃもう色々。でも、俺は今でも王子も姫も大好きなんだ」
「…そう」
「で、そこでマナにお願いなんだけど」
「な、何?」
「明日からセナちゃんと一緒に登校してくれないかな?今朝みたいに痴漢に遭わないように。レイには俺から何とか言うから」
「…はぁっ!?」
「あれ?他に何かある?」
にっこりと笑うその人に、思わずポカンと間抜けに口が開いてしまった。最初に話を振った時の俺の様子で何かを察知したのだ、この人は。そのままハメられた。クソ…これでは自白しないわけにはいかない。我が父親ながらあっぱれだ。
「ホント…嫌な男」
「そう?」
「あぁ、まったく嫌な男だよ!さすがマリーの旦那だな!」
「ちょっと!俺の愛する奥さんのこと、悪く言うのやめてくれる?」
「あーもう!はいはい!話すよ。話せばいいんだろ!」
「素直じゃないねー、マナも。麻理子そっくりで可愛いよ、そうゆうところ」
ふわりと頭を撫でられ、悪い気はしなかった。
こうして父と語り合うことは少ない。
やはり俺も、こんな時間は嬉しいのだ。なかなか妹みたく表には出せないけれど。
「あちゃー。キスしちゃったかー」
一通り話し終えた俺の肩を抱き、隣に腰掛けた嫌な男がニヤリと笑う。
「…しちゃいました。すみません」
何故か謝る俺。
そんな哀れな息子に、ニヤリと笑いながら白い紙をひらひらと振る父。
「これね、セナちゃんのメアド」
「俺にメールしろって?何てよ」
「それはマナに任せるよ。モテんだろ?お前」
「まぁ…それなりに」
「じゃ、よろしく。王子には黙っとくから」
「いや、マリーにも」
「わかってるって。俺達だけの秘密」
あははと笑いながら、父は部屋を出て行った。
「…そう」
「で、そこでマナにお願いなんだけど」
「な、何?」
「明日からセナちゃんと一緒に登校してくれないかな?今朝みたいに痴漢に遭わないように。レイには俺から何とか言うから」
「…はぁっ!?」
「あれ?他に何かある?」
にっこりと笑うその人に、思わずポカンと間抜けに口が開いてしまった。最初に話を振った時の俺の様子で何かを察知したのだ、この人は。そのままハメられた。クソ…これでは自白しないわけにはいかない。我が父親ながらあっぱれだ。
「ホント…嫌な男」
「そう?」
「あぁ、まったく嫌な男だよ!さすがマリーの旦那だな!」
「ちょっと!俺の愛する奥さんのこと、悪く言うのやめてくれる?」
「あーもう!はいはい!話すよ。話せばいいんだろ!」
「素直じゃないねー、マナも。麻理子そっくりで可愛いよ、そうゆうところ」
ふわりと頭を撫でられ、悪い気はしなかった。
こうして父と語り合うことは少ない。
やはり俺も、こんな時間は嬉しいのだ。なかなか妹みたく表には出せないけれど。
「あちゃー。キスしちゃったかー」
一通り話し終えた俺の肩を抱き、隣に腰掛けた嫌な男がニヤリと笑う。
「…しちゃいました。すみません」
何故か謝る俺。
そんな哀れな息子に、ニヤリと笑いながら白い紙をひらひらと振る父。
「これね、セナちゃんのメアド」
「俺にメールしろって?何てよ」
「それはマナに任せるよ。モテんだろ?お前」
「まぁ…それなりに」
「じゃ、よろしく。王子には黙っとくから」
「いや、マリーにも」
「わかってるって。俺達だけの秘密」
あははと笑いながら、父は部屋を出て行った。