執着王子と聖なる姫
「セナ、俺のこと好き?」
「好きです。大好きです」
「俺も好き」
体を撫でる手は止めないまま、なるべく優しい声でそう告げてやる。浅く繰り返される呼吸が、一瞬だけ止まった。
「可愛いねー、お前。好きって言われてそんなに嬉しい?」
「嬉しいです」
「ちょっと仰向けになってみ?もっと気持ち良くしてやる」
「痛く…ないですか?」
「痛いことはしない。セナがしてって言うまで」
ギュッと胸元を隠す両腕と、膝を立ててピタリと太ももを合わせた両足。上から順に撫でると、ふぅっと息を洩らしながら身をよじる。
「どした?」
「…ギュッてするんです」
「どこが?」
「わかんないです。体全部が」
ここだろ?と太ももの間に手を差し込むと、イヤイヤと頭が振られる。左手でそれを捕まえて、じっと視線を合わせた。
「マナ…」
「んな声で呼ぶなって」
「どうしていいのかわかりません」
「じっとして」
ちゅっと額に口づけ、そのまま頭の下から腕を引き抜く。完全に自由になった俺がすることは一つ。
「マナ…赤ちゃんみたい」
ゆっくりと舌を這わせる俺を、物珍しそうに見下ろしている瞳。ちゅうっと吸い付くと、甘い声が洩れた。
「好きって言って?俺のこと好きって」
「好きです。マナ、大好き」
「もっと…俺だけ見て。俺だけ愛して」
強請っているのは俺の方だ。
欲しい。
けれど、それ以上に欲しがられたい。
「これは…愛のあることですか?」
「無いと思うか?」
「わからないです」
ギュッと胸に押し付けられ、危うく窒息しかける。この柔らかな弾力が好きだ。
「そんなに吸っても、セナからは何も出ませんよ?」
「出たら怖いわ」
「今日は甘えん坊のマナですね」
「男はみんなこんなもんです」
「好きです。意地悪でも甘えん坊でも、マナはマナです。セナの大好きなマナです」
愛おしい。欲しい。
けれど、未だ手に入らない。
それが歯痒い。
「好きです。大好きです」
「俺も好き」
体を撫でる手は止めないまま、なるべく優しい声でそう告げてやる。浅く繰り返される呼吸が、一瞬だけ止まった。
「可愛いねー、お前。好きって言われてそんなに嬉しい?」
「嬉しいです」
「ちょっと仰向けになってみ?もっと気持ち良くしてやる」
「痛く…ないですか?」
「痛いことはしない。セナがしてって言うまで」
ギュッと胸元を隠す両腕と、膝を立ててピタリと太ももを合わせた両足。上から順に撫でると、ふぅっと息を洩らしながら身をよじる。
「どした?」
「…ギュッてするんです」
「どこが?」
「わかんないです。体全部が」
ここだろ?と太ももの間に手を差し込むと、イヤイヤと頭が振られる。左手でそれを捕まえて、じっと視線を合わせた。
「マナ…」
「んな声で呼ぶなって」
「どうしていいのかわかりません」
「じっとして」
ちゅっと額に口づけ、そのまま頭の下から腕を引き抜く。完全に自由になった俺がすることは一つ。
「マナ…赤ちゃんみたい」
ゆっくりと舌を這わせる俺を、物珍しそうに見下ろしている瞳。ちゅうっと吸い付くと、甘い声が洩れた。
「好きって言って?俺のこと好きって」
「好きです。マナ、大好き」
「もっと…俺だけ見て。俺だけ愛して」
強請っているのは俺の方だ。
欲しい。
けれど、それ以上に欲しがられたい。
「これは…愛のあることですか?」
「無いと思うか?」
「わからないです」
ギュッと胸に押し付けられ、危うく窒息しかける。この柔らかな弾力が好きだ。
「そんなに吸っても、セナからは何も出ませんよ?」
「出たら怖いわ」
「今日は甘えん坊のマナですね」
「男はみんなこんなもんです」
「好きです。意地悪でも甘えん坊でも、マナはマナです。セナの大好きなマナです」
愛おしい。欲しい。
けれど、未だ手に入らない。
それが歯痒い。