COLORS~Clear~
霧島クンは、その茶碗を静かに置くと。
何かを決意したような目で、私を見た。

そして…。


「手順は、完璧です。やっぱり手際もいいし、きれいです」
「ありがとうございます」
「でも…。今日は、気持ちが乱れてますね」
「っ!」
「何か、ありましたか?」
「───────」


口にした。

口調は、やんわりとしていたけど。
その眼差しは、怖いくらいに真剣で。

味は。
小手先だけではごまかせないということなんだろう。

特に。
舌の肥えた相手には…。

霧島クンの顔は。
17歳とはとても思えない程、大人で。

そう。
【茶道家】の、顔…。

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