COLORS~Clear~
「きれいな蒼ね…」


思わず。
言葉がもれる。

でも、それくらい。
ほんとにきれいな色で。


「透子さんのイメージです」
「えっ?」
「この間、なんとなく空を見た時、透子さんみたいだな…って。透子さんのイメージで、買った茶碗です」
「─────」


彼は。
ほんとに、高校生、なのか。
ドキッとした。


「あ。わざわざ透子さんのために買ったわけじゃないですよ?透子さんのイメージだと思ったのはほんとですけど」


そんな私を察したのか。


「でも。いつか、この茶碗で透子さんにお茶を点てられたら、とは思ってたんで。よかったです」


その空気を和らげるように言葉を続けて。
お茶を点て始めた。


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