COLORS~Clear~
この時。
私は、どんな表情(カオ)をしていたのか…。


「…光栄ね。そんなふうに、思ってもらえて」


そのまま。
戸惑いが、出てしまっていたように思う。


「どうぞ…」


そんな私に。
霧島クンがお茶を、差し出す。
相変わらずの。
きれいな手さばきで…。

そのお茶から。
何を感じとったのか…。

霧島クンはあえて、何も聞かず。
私も。


「…………………」


その日は、口にはしなかった。
ただ、その茶碗を。
じっとみつめていただけで…。







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