COLORS~Clear~
それでも。
私はさほど気にすることもなく、いつも通り出勤して。


「忽那さん。この日時で飛行機手配してもらえる?」
「はい。わかりました」


いつも通り、仕事をこなした。
ちょっと驚いただけで。
気にする程のことじゃない、思ってもいたから。

ただ。
わざわざウチに来てもらって、稽古をつけてもらってるのに。
稽古を終えて、


―そのまま帰すのって…


それがちょっと、気になって。

帰ったら、母に話してみよう、思いながら。
その日は定時で仕事を終えた。

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