甘い誓いのくちづけを
キャパシティーを越えるくらい驚いた心臓はドキドキを通り越して、体を突き破ろうとするようにバクバクと鳴っている。


「ごめん、驚かせたね」


目を見開いた理人さんが、携帯をポケットに戻しながらあたしを見下ろす。


「大丈夫?」


「はい……」


その直後に店内はまた静まり返り、何とか頷く事が出来たのに…


今度はガタンッと大きな音が鳴って、再び肩をビクリと強張らせてしまった。


「……っ!」


理人さんは、あたしを気遣うように背中を撫でてくれたけど…


そのせいで、今度は別の意味で心臓が跳ね上がる。


「……いたのか、英二(エイジ)」


そんなあたしの事を心配げに見ていた理人さんが、どこか呆れたように店内の奥に視線を遣った。


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