甘い誓いのくちづけを
「ようこそ、木漏れ日亭へ。オーナーの木藤(キトウ)英二です」


「あ、荻原瑠花です。初めまして」


英二さんに頭を下げると、彼は悪戯っぽく笑った。


「こいつとは腐れ縁なんだ。こう見えてかなりワガママな奴だから、俺はいつもこき使われててね」


「それはこっちの台詞だ」


「よく言うよ……。で、誰が放浪癖があるって?こっちは休みだってのに、お前のワガママを聞いてやってるんだぞ。この店は俺一人で切り盛りしてるんだから、俺が店を開けるしかないんだからな?」


「……それは謝るけど、放浪癖があるのは嘘じゃないだろ」


いつもと少しだけ違う口調の理人さんと、どこか楽しげな英二さんを見て、二人はとても仲が良いんだって事がわかった。


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