甘い誓いのくちづけを

「ありがとう」


そう言って紙袋を受け取った理人さんがどんな気持ちなのかなんて、その表情を見れば考えるまでも無くて…


キュンキュンと鳴く胸の中にあった不安は、綺麗さっぱり溶けてしまった。


あまりにも嬉しそうに笑う理人さんの表情が、あたしにも感染(ｳﾂ)ってしまう。


「開けてもいいかな？」


「えっ、今ですか！？」


「うん」


理人さんに見入っていたあたしは、その申し出に戸惑ってしまった。


散々悩んであたしなりに精一杯の物を買ったけど、ポルシェが愛車の彼にとってはきっとチープな物でしか無い。


そんな不安がある反面、プレゼントを開けた時の理人さんの表情も見たくて…


葛藤の末、自分の中の欲望に負けて小さく頷いた。