甘い誓いのくちづけを
綺麗な手がブランドのロゴが入った紙袋から箱を掴んで、ゆっくりと取り出す。


丁寧にリボンを解いてそれを開けた理人さんは、程なくしてダークグレーの瞳を柔らかく緩めた。


「ネクタイだ」


愛おしむような手付きで取り出されたのは、ネイビー系のネクタイ。


大剣の方に、数本の細いラインとともにさりげなくブランドのロゴが入っている。


散々悩んだプレゼントをネクタイに決めたのは、理人さんはいつも大体スーツを着ているから。


高級ブランドのネクタイを買ったのは生まれて初めてで、コンシェルジュに相談しながら選んでも少しだけ不安があったけど…


理人さんならどんな物でも似合う気がして、彼の為にプレゼントを選んでいる時間はとても楽しかった。


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