甘い誓いのくちづけを
「そしたら……何を思ったのか理事長が急に瑠花を呼んで、俺と英二を隣の部屋に押し込めたんだ」


『血の繋がりがなければ、本当の親子にはなれないと思う?』


理事長の言葉が、頭の中を過ぎる。


「その時はどうして理事長が瑠花を呼んだのかわからなかったけど、その疑問はすぐに解けたよ」


理人さんがあたしの手を握り直し、優しく微笑んだ。


「『“他人だから愛せない”なんて、絶対にない』……」


程なくして耳に届いたのは、聞き覚えのある台詞。


「『血の繋がりなんてなくても、きっと親子になれる』……」


まるで録音していたかのように、理人さんはあたしが何年も前に紡いだ言葉を正確に再現した。


「瑠花のその言葉に、ハッとしたよ」


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