甘い誓いのくちづけを
「あの時に声を掛けてくれたのが理人さんじゃなきゃ、きっと文博と別れる決心も付かなかったし、あんなに早く立ち直る事も出来なかった……。あの夜に手を差し延べてくれたのが、理人さんだったから……理人さんだからこそ、あたしの傷を癒せたんですっ……!」


一気にまくし立てたあたしに、理人さんは目を見開いている。


それに構わず、更に口を開いた。


「優しい声も、柔らかい笑顔も、温かい手も……こっちが恥ずかしくなるくらいの甘い言葉とか、ヤキモチ妬いた時の拗ねた顔とか、ちょっと不器用なところとか……」


どれくらいの言葉を並べれば、この想いが伝わるのかがわからなくて…


「もう、とにかく全部が大好きなんですっ!!」


ただただ夢中で、思い浮かぶ限りの言葉を口にしていた。


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