甘い誓いのくちづけを
胸の奥から、愛おしさが溢れ出す。


好きで、好きで、堪らなく好きで。


本当は、“好き”なんて言葉だけではちっとも足りなくて。


出来る事なら、ずっとずっと一緒にいたいと思う。


だから…


「理人さん……」


大切な人の名前を噛み締めるように紡いで、理人さんの瞳を真っ直ぐ見つめたまま続けた。


「ずっと、あたしの傍にいて下さい……」


「うん」


理人さんは膝の上にあたしを乗せて抱き締め、耳元に唇を寄せた。


「過去を話せたら、瑠花に真っ先に伝えたかった事があるんだ」


顔を上げようとしたあたしを制するように、彼が腕に力を込めた。


「ありがとう。俺が瑠花に出会ったあの日、俺は瑠花の優しさに救われたんだ……」


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