金持ち女VS貧乏男
『おう!』


いきなりの声に私は一瞬凍りついた…

お…おう!?

店内に入るなり奴が私に言った言葉だ。

〝おう〟
てねぇ、あんた友達じゃないんだからやめてよね! 他のお客さん見てるじゃないの!

恥ずかしい…


だいたい、コイツのカテゴリーに“いらっしゃいませ”と言う言葉は無いのかよ。


私はサルを無視していつものコースへ向かった。


レジに立つと何故かミネラルウォーターの分しかスキャンしない。

『ちょっと!これもなんだけど!』


奴は私の言葉を無視するように一旦レジを離れサラダを元の場所に戻してしまった。


『ちょっと!何すんのよいったい!』

奴は私の声が聞こえてないかのように一端レジ奥に行き、何やら小さな箱を持ってきてレジカウンターへ置いた。

『お前も大変みたいだな。これ持ってけよ』

私は何がなんだかわからず、その箱を見つめ続けた…。
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