キスなんてさせない(短編)
「君は、家にずっと居たの?」

「いえ。あたしは、ちょっと出かけてて……。帰ったら冷蔵庫の前で倒れてたんです」

「そうですか」

話していく内にすぐ病院に着いた。

「じゃあ、そこで待っていてね」

「はい」

あたしと健太は、椅子に座って待っていた。

あたしは、お母さんが無事であることを必死に祈った。

―数十分後

病院の先生がこっちに来た。

「手を尽くしたんですけど、今の所意識がありません。お母さんは、出血多量でたぶん刺し傷しか考えられないです。お母さんが助かる方法は、輸血が必要です。君は何型?」

「お母さんと一緒でA型です」

「じゃあ、君も急いでこっちに」

「健太、悪いけど待っててね」

「おう」

「じゃあ、今からお母さんに輸血します」

―1時間後

「お母さんが助かりましたよ」

「本当ですか?」

「ええ。お母さんの所に行ってあげて」

「はい。ありがとうございました」

「お母さんが助かってよかったわね」

優しい看護師さんだった。

「健太もお母さんの所に行こ」

「俺は、いい。2人だけで話ておいで」

「分かった。ごめんね、健太」

「別にいいよ」

203号室

あたしは、お母さんの所に行った。




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