死への救急搬送２
彼が私を見る目を見て、彼は私を脅そうとして言っている気がしました。

裁判を起こすと話すことで私が怯むと思ったのかもしれません。


「公金を使用して搬送問題を起こした側が弁護士費用を払うとか裁判をするなどということを市民が納得するでしょうか」

「私は市民がそのような行為を許すとは思えません」

「検察が負けるとわかりながら組織防衛のために起こした村木さん事件と同じじゃないですか」


私は室長に言いましたが、正直に言うと相手側から裁判を起こしてくれると家内の命が搬送ミスによって悪くなったのかどうかの因果関係を証明しなくてもよくなり、救急隊の過失だけを問えるようになります。


家内の命の因果関係は遠い病院へ搬送されたので発症した早い段階で診てくれていた医師が居ないので、はっきり言って証明できません。


つまり救急隊の過失を証明できるできるだけの法廷証言者は揃いましたが、命の因果関係がはっきりとしないので無罪となる可能性が大きくて私は裁判を起こすのを諦めたのです。


相手側から起こしてくれるのは好都合だと思いました。
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