どうして好きなんだろう

「…なんだ、それ。いつ手出したよ?」

「いまだよ、今。こそこそしゃべってんじゃねーよ。」

「じゃあほっとくなよ。…しらねー奴多くてつまんねーだろうが。」

「はっ?お前に関係ないだろ?お前はゆりの心配だけしてろよ。」

眼前でにらみ合う義人と直。

あまりの二人の剣幕に言葉もでずにいると、義人の背中で視界が遮られる。

直の視線でさえ私から遠ざけようとする義人の行動に、直がため息と共に立ち上がるのがわかった。

「…追加の花火買ってくるわ。」

「理央、花火しよう。」

その後姿を見送る前に、義人は私の手首を掴んで立たせる。
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