ピュアなんです。


「おいおい、棗ちゃんをイジメるなよ」
「えー客じゃないからいいじゃん」
「リクはいっつもそうだな。つか、昨日見せた子だぜ?」
「……まじか」

再びマジマジと私を見つめる。
ていうか見せたってなんだ?
私こんなドS知らないけど。

「なんか期待ハズレだね」
「…ぬ」

さっきからこの人達はよく分からない。
私を持ち上げたり、落としたり。
どっちかにしろよ。

「年上好きなリクには無理だな」

豪さんが私の頭を撫でる。
そりゃそーだ。
私は16だぞ。
世間的にはクソガキだぞ。

ヴーヴーヴーヴー

バイブ音が聞こえる。
誰だ?と音をたどれば、丸山さんだった。

「もしもし、佐伯か」

丸山さん以外の4人は丸山さんを見る。

「な、お前もか。フロアが足りないだろう」

その言葉に豪さんが反応した。

「佐伯休むのか。ますますフロアが足りなくなるな…」
「じゃ、俺がフロアに!」

誠哉が一歩前へでる。
フロア…多分、接客しない人だな。

「アホ、お前接客だろ。それに、フロア下手くそだったじゃねーか」
「う…」

豪さんの言葉に、誠哉は黙り込む。
へー誠哉接客なんだ。
てか、学生がそんなことしていいのか?
一同が黙り込む。
…これは助けるべき?

「…………私がやりましょうか?フロア」
「はあ!?」

人が困ってると助けたくなる成分。
だから、試しに言ってみた。

「おいおい、お前みたいなガキ、しかも女に出来るかよ」
「ですよねー」

リクさんは私を指差す。
あはは、と流した。
言ってみただけだよ。
どーせガキだよ。

「…案外イケるかも」
「えっ」
「なぁにいってんだ?丸山!」

丸山さんが私を見つめる。
え、イケるかもって!?

「確か小さいスーツあったな、ちょっと来い」
「ちょ…え!?」

丸山さんは中に入っていった。
冗談半分だったのに!
…母さん、今日夜勤でよかった。


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