ピュアなんです。


半強制的に少し大きめなスーツに着替えた。
カーテンを開くと、丸山さんが待っていた。

「…………」

再びマジマジと見られる。
…いくらスーツに着替えたって、私は所詮女…

「………ふ、及第点」
「なっ!?」

及第点だと!!?
乳がないからか!?

「そこに座れ」

指差す先は化粧台のような椅子。
…あれ、ホストにも化粧台あるんだ。
素直に座ると、後ろに丸山さんが立つ。

「髪をイジるが…いいか?」
「あ、大丈夫です!」

もともと、肩につくかつかないか、くらいな髪の長さ。
多少、ワックスで固めればすぐに男の子だ。
ゴムで後ろの髪を小さく結ぶ。
「………」

鏡の中の丸山さんは私を見る。
優しく笑い、よし、とつぶやくと私を撫でた。
ちょ、近くないですか。
丸山さんの顔が私の顔の隣にある。
顔に熱が集まる。

コンコン

ノックが聞こえ、入ります、と誠哉が言う。
入っていた誠哉は私を見て驚いた。

「…バッチリじゃん」
「そ、そうかな?」
「誠哉、リク達は?」
「接客中。もう7時ですよ」
「…行くぞ棗」
「ちょっ…えと…」

とっくに出る気でいる丸山さん。
でも私は…

「私、まだ16ですよ?18歳未満ダメなんじゃ…」
「接待じゃないからな。多分大丈夫だ」
「…そうなんですか…」

チラッと誠哉を見る。
誠哉だって17のはず。
視線に気がついた誠哉は私を見て微笑んだ。

「俺さ、実は18なんだよ」
「え?」
「他の高校中退して、藍帝に来たんだ」
「そうか…変なこと聞いてごめん」
「いや、いいよ。さ、行ってこい!」

誠哉が私の背中を叩いた。
18と聞くと、急に大人っぽく見える。
おし!と気合いを入れて、前を歩く丸山さんについて行った。



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