やっぱり、好きだ。
 

 ボーっと軽音部の部室を眺めていると、サヤ子と目が合った。

  「あれ?? 青山先生??」

 サヤ子がこっちに寄ってきて部室のドアを開けた。

 「どうしたんですか?? あ、安田に用事ですか??」

 「え?? 俺に用なんですか??」

 サヤ子の後ろからヒョコっと安田が顔を出す。

  「用事っつーか・・・サヤ子先生はなんでここにいんの??」

  「あ、安田って昔バンドやってたって言ってたじゃないですか。ちょっと見てみたくて。すっごいカッコイイんですよ!! ギター弾きながら歌ってる安田、オーラがスゴイんです!!」

 目をキラキラさせて安田を褒めちぎるサヤ子。・・・ノロけてんの?? やっぱ付き合ったのか??

 「サヤ子センセ、まじ恥ずかしいからヤメテ」

 と言いつつ、まんざらでもない安田にイラっとした。

 「てゆーか、青山先生まじでどうしたんですか?? 青山先生が軽音に来るとか、不自然でしょ」

 安田は、サヤ子に褒められて嬉しかったのか、口元の緩みが抑えられないらしく、口に手を当てながら俺に話しかけてきた。
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