やっぱり、好きだ。
 

 
 -----青山先生のお見舞いに行った日。

  桜井先生を追いかけたあの日。

 桜井先生はバス停のベンチで泣き崩れていて。

 『生徒に見られたらマズイ』と思って近くの人通りの少ない座れそうな場所に移動して。

 サヤ子センセに振られたばっかの俺は、桜井先生の気持ちを少しは汲み取れる様な気がしていて。

 ガタガタ肩を震わせて泣きじゃくる桜井先生の肩を抱くと、桜井先生は助けを求めるかの様に俺に縋りついてきて。

 だからそのまま桜井先生を抱きしめた。

 「・・・ごめんね。服にマスカラ付いちゃう」

 そっと身体を離した桜井先生は、唇までもが震えていて。

 抱きしめても止まらない、桜井先生の肩の震えを、唇の震えを止めたくて。

 離れた桜井先生の身体を引き寄せて、 キスをした。
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