やっぱり、好きだ。


 
 「別に早々に他の女に心変わりしたって、誰も安田の事を軽蔑したりしねぇのに」

 放送室に入るや否や、 完全に勘違いしまっくている青山先生が、適当な椅子にドカっと腰を掛け、口を開いた。

 「・・・だから、櫻井先生をそういう風に見てないから」

 仕方なく俺も近くにあった椅子に座る。

 ・・・あー、なんかめんどくせー。説明めんどくせー。

 「好きでもないのに路上でディープインパクトなチュウをお見舞いしてたのかよ

、貴様!!」

 「それ、青山先生だけには言われたくないわ。元チャラ男のくせに」

 朝倉先生しかり、青山先生しかり、なんなの?? 変な英語流行ってんの?? サヤ子センセ、何教えてんの??

 「一理あるな」

 「一理しかねーのかよ」

  納得したかのように腕を組んで頷く青山先生にすかさずツッこむと、青山先生が楽しそうに少年のような笑顔を見せた。

 青山先生は顔も頭も良くて、子供っぽいけど性格だっていい。だから、サヤ子センセも桜井先生も朝倉先生も、青山先生を好きになった。
< 331 / 353 >

この作品をシェア

pagetop