やっぱり、好きだ。

  「・・・はぁー」

 「溜息吐いてないでさっさとメール打てよ、瑠美に打とうとしてたんだろ??」

  携帯を握り締めたままうなだれる俺のすぐ背後から、聞き慣れた声がした。

  「青山先生!! いつの間に!!」

  勢いよく振り返ると、『軽音男子はチャラいヤツ多いなー』と呑気な顔の青山先生がいた。

 「黄昏すぎだろ、安田。結構ずっといたし。3回呼んだし」

 ・・・青山先生のこのニヤつき顔。

  完ッッ全に勘違いしている。

  「オイ、お前ら。安田先生借りてくぞ。今日はもう安田先生戻らねぇから17:45になったら楽器片して帰れよ」

 「はぁ!!? 何言って・・・」

 部員たちに、自分が軽音部の顧問かの様に振舞う青山先生に、肩をガッチリ組まれ半ば強制的に青山先生のテリトリー(放送室)に連れて行かれた。
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