やっぱり、好きだ。
 
 「ゴメンゴメン、聞く聞く!! 聞かせて!!」

 え?? 聞くの?? サヤ子センセ。もうよくね??

 「あのね、2-5の・・・」

 「担任誰だっけ??」

 サヤ子センセが青山先生に聞く。

 「吉岡先生」

 「・・・吉岡先生って奥さんいるよね??」

  青山先生に桜井先生が、嫌悪感いっぱいの表情をしながら確認した。

 「・・・いるな」

  「不倫かよ」

  青山先生が答えた瞬間にポロっと言ってしまった。・・・ら、朝倉先生にすげぇ勢いで睨まれた。

  「違うっつーの」

  「え?? じゃあ、副担って??」

  同じ流れでサヤ子センセが青山先生に聞いた。

  「・・・原先生」

 「・・・そっか・・・原先生かぁ」

  青山先生と桜井先生が半笑いになった。つーか、俺も吹き出しそう。

 「原先生って、個性的っていうか中性的だよねー」

 サヤ子センセの一言が、俺たちの笑いを加速させた。

 原先生は中性的と言うより、オカマだ。

 それを『個性』と捉えるサヤ子センセは、やっぱり心がピュアフレッシュだ。・・・あ、変な英語伝染した。

 ゲラゲラ笑う俺たちに憤慨した朝倉先生が、テーブルを叩いて立ち上がった。

 「だから、違うわ!!」

 「・・・じゃあ、誰??」

 唯一笑っていなかったサヤ子センセが朝倉先生を見上げた。

 「・・・浜岡大地」

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 「・・・・・・」

 『・・・生徒かよ!!』

 4人の声が綺麗にハモった。
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