やっぱり、好きだ。
「あ、ちょっと私お手洗い行ってきます」
桜井先生が立ち上がってレストルームへ行った。
桜井先生の姿が見えなくなってから、朝倉先生が口を開いた。
「んー、やっぱ分かんないや。安田自身も分かってないみたいだしね。安田は今、誰が好きなんだろうねー」
「誰でもいいっしょ。朝倉先生に関係ないっしょ」
『ほっとけっつーの』と朝倉先生に白けた視線を送る。
「ムカつくー!! 安田がムカつくよー、サヤさん!!」
きったねぇ、朝倉。サヤ子センセに擦り寄るとか。
「首突っ込むのやめようよー、優たん」
『よしよし』と朝倉先生の頭を撫でながらなだめるサヤ子センセ。
そんなサヤ子センセを見ると、振られた今も心が和む。
「恋愛って焦ってするもんでもねーだろ」
ヤリチンだっただけで、さほど恋愛経験もないくせに『恋愛経験豊富です』くらいの勢いで分かった風な事を言う青山先生。逆に可愛くて好きだわ、こういう人。
「・・・んー。やっぱり好きだなーって思いましたよ、今日」
俺の言葉に3人が飛びつく様に食いついた。
「桜井先生が??」
朝倉先生が身を乗り出してきたから、何も言わずに笑い返してやった。
「・・・お前、やっぱまだサヤ子が・・・??」
焦る青山先生が面白くて、今度は笑って何も言えなかった。
今も辛さを隠して笑って見せる桜井先生に、胸が詰まる。
複雑な想いのまま、それでも幸せを感じているサヤ子センセに、胸が締め付けられる。
-----うん、俺、やっぱり好きだ。
やっぱり、好きだ。
おわり。


