やっぱり、好きだ。

 「へぇー。で、その大量のシュークリームは??」

 安田が、青山くんの手に持たれていた紙袋に気が付いた。

 「こ・・・これから青山先生、去年の卒業生さん達と飲み会らしくて、手土産だってさ」

 これ以上青山くんびう嘘を吐かせるのも偲びないし、安田を騙したいわけでもないので、辛うじて嘘ではない返答を絞りだした。

 「えー。青山先生って優しいんですね」

 という安田の褒め言葉に、

 「出処俺じゃないけど」

 と零してチラっと私を見る青山くんに、嘘を吐き通すつもりはあるのだろうか。

 抗議の視線を青山くんに向けると、青山くんがいたずらっぽく笑った。

 「へ??」

 青山くんのひっかる言葉に、もちろん安田もひっかかる。
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