Oursecret

｢あの…｣


私は断ろうとした。けどそれを舞花は遮り聞き出そうとする。なぜ断ろうとするのがわかるのか…今まだ私が気づいてないから当たり前だろうけどね。


｢ほんっとうのことを聞きたいの！私は伊織の力になりたい。うちら友達…じゃないの？友達ってさ本当の事が言えてお互い信頼出来るもんじゃないの？ねぇ…教えてくれない？もう一度言うよ。私は伊織の力になりたい。だから本当の事教えて。｣


こんなに強い意志をぶつけられたのは初めてだった。私は話すことにした。



｢あのね、実は…────────｣





────約５分後。
｢─────て訳なの。｣


私は全て打ち明けた。


｢ふぅん。それでかぁ。そりゃ気まずいわけだ。…であんたはどうしたいわけ？｣


｢へっ？｣


どうしたいと言われても相談してるわけだからわかるわけがない。

｢あー…解決したいとかじゃなくて仲良くなりたいとか、元に戻りたいとか気持ちの方。｣


私はいくら考えても答えは１つしかない。


｢前みたいに仲良くしたい。あたしが支えられるなら一緒にいてあげたい。海斗くんの力にはあんまりなれないんだろうけどそれでも側にいて力になりたい。｣


それは私にとって強い意志だった。舞花はそれを聞いてフッと笑みをこぼした。私が舞花の方を向くと舞花も私の方を向きニッコリ笑って見せた。

｢伊織、あんたがそうしたいなら自分がしたいように自分の気持ちを伝えたらいい。人がどうとかじゃなくて自分がどうしたいのかが一番大事なんだよ。｣


いつもと違う重みのある言葉じゃなく、ふんわりとした温かい言葉だった。私まで温かい気持ちになる。そんな不思議な気持ちだった。


｢うん、そうだね。あたし行ってくるよ。自分の正直な気持ち、ぶつけてくる。｣


｢うん、行ってらっしゃーい。｣


私は勢いよくドアを開け走り出した。少しでも早くこの気持ちを伝えたい。舞花は再び窓の方を眺めた。