Oursecret
優希は俺を音楽室に呼び出した。


「…優希?なんか用か?」

優希はピアノの弦を触りながら聞いてきた。
俺は壁に寄せかかる。


「なぁ、海斗。お前俺に隠し事してないか?」


「…別に…してない…けど…」


隠してるのがバレバレなくらいの反応だ。




ビクッと反応してしまったからきっと気付いてる。


「俺らは友達なんだから話してくれたっていいだろ?」


ピアノの側にある椅子に腰掛け、譜面台に肘をつく。


「そ・れ・に、伊織ちゃんとケンカするなんてなかなかないよね〜」

あんないい子なのに…と言いながらチラッとこっちを見て口元を緩める。

「ケンカなんかじゃ…っ」

慌てて訂正する。



「じゃあ何?」


言葉に詰まり言わないといけない雰囲気に包まれた。



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