シークレット


「えっ?」



彼の聞いたこともないような、甘い声に思わず胸が鳴る。



彼はゆっくり手を伸ばして来て、わたしの頬に柔らかく触れる。



好きな人に触れられてる!



それだけなのに、顔が真っ赤になってしまうわたしは、まだまだ経験値が足りなくて…




「顔真っ赤、かわいい。」



そんなわたしを見て、彼はゆるく微笑むと、わたしのあごを持ち上げ静かに顔を近づける。



「っ!」



いや、なんとなく分かっていたけれど、実際にキスされるのはまた別で。



すごくドキドキした。



嬉しくて、思わず彼の肩に手を乗せる。



ーーとん。


気がついたら壁に追いやられていて、


逃げ場所を失っていた








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