シークレット
「秘密って?」
彼がわたしにつめよって問いかける。
「それは…」
言うことに戸惑いを感じ、うつむいてしまう。
「っ…その…」
手のひらに汗がにじむくらい、強く握り締める。
「はぁ。」
なかなか口を割らないわたしに痺れを切らしたのか、彼は、深くため息をつくと、わたしの顔を覗き込む。
「ーーっ…」
あまりの顔の近さに息をのむと
「言いたくないなら、無理に聞かない。だけど、これだけは覚えといて。」