黒縁メガネ男子に恋してる
「でも、そんなこと書いたって、雄太はなんとも思わないよ」
あたしがふてくされて、そう言うと。
「いや、あいつ、綾華には弱いみたいだし」
智哉はサラッと、そんなセリフを口にする。
「ハァ? 冗談!」
口では、そう言いながらも、あたしの胸の内は穏やかじゃない。
智哉、それ、どういう意味よ?
智哉は中学が違うから、あたしと雄太が付き合ってたことは知らないはず。
うちのクラスには、あたしたちと同じ中学だったのは、真喜子だけ。
引っ込み思案の真喜子が、智哉とそんな話をしたとも思えないし……。
ちょっと探りを入れてみようか。