深海の眠り姫 -no sleeping beauty-





譫言のような喘ぎ声。
混じり合った体液。


上も下も繋がって、ぐちゃぐちゃにかき回されて。


私は必死に直人さんにしがみついて。
直人さんは私を強く抱いて。


汗も、匂いも。
お互いの全部が愛しくて。






「―――ぁ、…んぁぁぁっ!」




二人同時に果てたとき、私の頬に水の粒が落ちる。
それは私が流した涙と混じり合って、シーツにシミを作った。




―――力が抜けたのか、私の上に倒れ込む直人さんの乱れた呼吸音を聞きながら、私は意識を手放していくのだった。





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