深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
14. 深海から水面へ





包まれて眠る幸せ。

聞こえる鼓動、感じる熱。

どうか、いつまでも。










「―――――んぁ…?」


目を覚まして最初に飛び込んできたのは、私を見下ろす直人さんだった。



「色気のねぇ声。さっきまではあんなにいやらしかったのによ」


そう言って軽く口付けた直人さんはさっきまでと変わらない雰囲気で、はっきり言って男の色気ムンムンだ。
それに気づいてかっと顔を赤くした私を見て、彼は目を細める。


私が眠っていた数十分の間ずっとそうやって見られていたのかと思うと、ものすごく恥ずかしくなった。





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