深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
ふと気づくと全裸のままだし、汗で身体はべたべたで。
(…そ、そっか。あのまま寝ちゃったんだ。………って!)
ほんの数十分前までの行為を一気に思い出した私は直人さんの身体を押しのけ、シーツにくるまったままベッドから降りた。
「シャワー浴びてきても…?」
「ん、行ってきな。シャワーならそっちにもう一つあるからゆっくりしてこいよ」
私の頭を撫でながらそう行ってくれた彼に笑顔を向けて、私はぱたぱたと浴室に向かう。
「…あんな笑顔反則だっつーの」
そう言い残して、直人さんはもう一つの浴室に消えたのだった。