深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
「欲しいもの?…思いつかないですねぇ」
そう答えると直人さんは小さく笑う。
「本当、環は欲がねぇな。俺なんか、常に環が欲しくてたまんねぇのに」
「………ヘンタイ」
「うるせぇ。部屋に入ったらそんな口利けなくしてやるからな」
そんなことを話しているうちに車は駐車スペースに綺麗に収まり、私が車を降りようとしたら肩を引かれた。
「………やっぱ我慢出来ねぇ」
そう言うと私の唇を舐め、啄むように唇を合わせる直人さん。
私はゆっくり瞳を閉じて、彼の熱を受け入れた。