深海の眠り姫 -no sleeping beauty-





「欲しいもの?…思いつかないですねぇ」


そう答えると直人さんは小さく笑う。



「本当、環は欲がねぇな。俺なんか、常に環が欲しくてたまんねぇのに」


「………ヘンタイ」


「うるせぇ。部屋に入ったらそんな口利けなくしてやるからな」




そんなことを話しているうちに車は駐車スペースに綺麗に収まり、私が車を降りようとしたら肩を引かれた。



「………やっぱ我慢出来ねぇ」


そう言うと私の唇を舐め、啄むように唇を合わせる直人さん。


私はゆっくり瞳を閉じて、彼の熱を受け入れた。





< 156 / 159 >

この作品をシェア

pagetop