LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「どこへ行くつもり?」



「行けばわかるから。ナルはバイトだったんでしょ?寝てて」



「…気になって寝れないよ」



歩美さんと並んで座る成美は、肘つきに肘を乗せて頬杖。

俺は助手席に座りながら、ただ高速入り口の看板を見つめた。

成美のお父さんは確か今、北海道へ単身赴任してる筈。

しかし、高速は関西方面。

真逆に走ってる。



「ナル、免許は取れたの?」



「ううん。まぁ、後は試験場に行くだけなんだけど」



「免許が取れたら、たくさん練習するんだよ?自腹で頑張って取ったんだから」



…自腹だったのか。

貯金もあるらしく、金銭感覚もしっかりしてるとは思ってたけど。
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