LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
以前、福智に言われたみたいに、もし成美の気持ちが変わってたとしても、また俺に振り向かせて必ず。

2人で誰の目にもつかなさそうな後ろの方へと絵馬を結ぶ。

永久的に保管されるらしいこの絵馬。

…いつか見に来ような。



「ナル?何で…泣いてるの?」



歩美さんの声で、俺は成美の方へ向いた。

そこには、口元を手の甲で押さえて、静かに涙を流す成美。

歩美さんたちの角度からは、見えてないだろう、1枚の絵馬。

“貴方が幸せでありますように。
貴方が、笑顔で溢れますように。
私は貴方をずっと見守ってます。
他の誰かを愛しても、再会した日は、私をまた、愛して下さい。
       ――稲垣”
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