LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
だが、芽ちゃんも十二分におかしい気がする。

寂しそうな、顔してる。



「キモい」



「…俺が何した;;」



指を差されながら言われたが、ただ見ただけじゃねぇか。

ボトル一本を空けそうな勢いの芽ちゃんは、テーブルに置いてた携帯のサブディスプレイを見て舌打ち。

そして、ブチッと強制的に切ってしまった。



「下川さんじゃなかったの?」



「そうよ?だからって、出るわけないじゃない。あんな最低の馬鹿“店主”…あぁ、間違えた!馬鹿“亭主”の電話には出ないわよ」



些細な事で、喧嘩した筈。

でもこの怒りは、もっと違うところにありそうだ。
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