LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
【9】言えなかった秘密

N//たっぷり愛して




朝、下川さんからのメールを受信したバイブ音で目が覚めた。

芽を起こさないようにベッドから抜け出し、エントランスのオートロックを解除し、玄関の鍵を開いた。



「お疲れ様でした」



「香椎さんからの話を聞いて、仕事に身が入らなかったよ。こんな事、初めてだ」



お茶かコーヒーかを訊ねれば、「コーヒーかな」と言う下川さん。

コーヒーメーカーに粗びきの豆を入れ、ポトポトと出て来るのを待ってると、下川さんは頭を抱えて居た。



「どうぞ」



「ありがとう。芽が機嫌を損ねてから缶ばかりだったから、嬉しいよ」



カップル・夫婦…それぞれに壁にぶち当たる時はある。
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